お菓子作りに欠かせないのが「チョコレートのテンパリング」です。一般的には温度計を用いて行いますが、もし温度計がない場合でも代替の方法を知っていれば便利です。この記事では、温度計を使わないテンパリングの方法と、上手く固まらない時の解決策を紹介します。
温度計なしでもチョコレートのテンパリングは可能
テンパリングは、通常は温度計が必要ですが、家庭での代替方法もあります。ここでは2つの代替方法をご紹介します。
温度計を使わないテンパリングの方法その1
一つ目の方法として、沸騰させたお湯の量を測り、その後に同じ量の水を加えます。沸騰したお湯は約100℃ですが、0℃の水を加えると約50℃~55℃になります。ただし、実際の水道水は0℃ではないので、最終的な温度は少し高くなる可能性があります。
温度計を使わないテンパリングの方法その2
次の方法は、お湯を沸かし始めて、泡が出る直前の温度で火を止める方法です。この時の水温度は約50℃です。泡が立ち始めると60℃に達してしまうので、その前のタイミングが重要です。
電子レンジを使用したテンパリング方法
さらに、電子レンジを使う方法もあります。チョコレートに水分が混入するとテンパリングは失敗するため、湯煎よりも電子レンジの方が初心者には向いています。
電子レンジを利用したチョコレートテンパリング手順
60gのブラック板チョコレートを使ったテンパリングの手順は以下の通りです。
1. チョコレートを手で小さく割るか、細かく切って耐熱容器に入れます。
2. 電子レンジ(500W)で1分30秒間加熱します。この際、ラップは不要です。
3. 10~20秒ごとにチョコレートを取り出してかき混ぜ、均一に加熱します。これにより、一気に焦げるのを避けます。
4. 電子レンジから出す時、チョコレートが少し形を残している状態が理想です。その後、ヘラを使って全体を均一に混ぜます。
5. チョコレートが半分程度残っている状態が望ましいです。
テンパリングが成功したかの目安として、ヘラで混ぜ、滑らかに流れ落ちる状態を見ます。
テンパリング成功の判定方法
テンパリングが成功したかどうかの判定方法として、ヘラについたチョコレートをナイフや包丁の刃に少量つけてみます。すばやく固まれば成功、3分経過しても固まらない場合は失敗です。
このように、簡単にテンパリングが成功したかどうかを確認できます。
テンパリングの重要性
テンパリングは単なる温度調整ではなく、チョコレートの質を高めるために重要です。光沢のある見た目やパリッとした食感、滑らかな口当たりを実現するためには、テンパリングが必須です。
テンパリングでチョコレートが固まらない場合の解決策
テンパリングでチョコレートが固まらない際の原因と、それに対する対処法を解説します。
チョコレートがテンパリング中に固まる
チョコレートに水分が混入すると、テンパリング中に固まってしまいます。テンパリングには水分の混入が禁忌です。使用するボウルやヘラに水滴がないか、湯せんの際にはお湯がボウルに入らないように注意しましょう。
温度が低すぎたときの対処法
チョコレートの温度が低すぎた場合、温度を再び上げてやり直してください。水につける時間を短くするなどして、温度を慎重に調整しましょう。また、周囲の室温にも注意が必要です。
温度が高すぎたときの対処法
チョコレートを溶かす際の温度が過度に高いと、そのチョコレートではテンパリングが不可能になります。この場合は、他の焼き菓子などに活用することをお勧めします。
テンパリングのやり直しは可能か?
テンパリングにおいては、チョコレートの温度を27~30℃の範囲で保つことが重要です。32℃以上になると、テンパリングが失敗します。この場合、やり直しが必要になります。
水分が混入した場合のやり直し
チョコレートに水分が混入し、固まってしまった場合はやり直しができません。このようなチョコレートは、温かい牛乳や生クリームを加えて溶かし、他のお菓子に利用することが良いでしょう。
温度計不要でチョコレートのテンパリングは行える?失敗した際の対処法は?
★温度調整失敗時のやり直し
溶かす温度が極端に高すぎたり低すぎたりした場合でも、大きな温度差でなければやり直しが可能です。大きな温度差でなければ、失敗したかもしれない場合には、再度チャレンジしてみましょう。何度試してもうまくいかない時は、温度調整に問題がある可能性が高いです。温度計がなければ正確な判断が難しいため、他のお菓子作りにチョコレートを利用することを推奨します。
まとめ
温度計がなくてもテンパリングは可能ですが、感覚での温度調整には注意が必要です。成功すれば問題ありませんが、何度も失敗する場合は、他のお菓子作りにチョコレートを利用することを検討しましょう。